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親権とは,未成年の子を監護教育し,その財産を管理する権利及び義務のことです。
親権の内容としては,子どもの身の回りの世話をしたり,子どもに躾(しつけ)や教育を施す「身上監護権」と,子どもの財産を管理し,法律行為を代わりに行う「財産管理権」とに大別されます。
未成年の子に対する親権は,両親の婚姻中は両親が共同して行いますが,両親が離婚する場合は,必ずどちらか一方を親権者と定めなければなりません。離婚することに合意している場合でも,未成年の子の親権をどちらが取得するかが決まらない限り,離婚することができません。
なお,親権に服するのは未成年の子ですので,子どもが成人してしまえば,親権が問題になることはありません。
誰が未成年の子の親権者になるのか,夫婦の間で話がまとまればよいですが,どうしても話がつかない場合,最終的には裁判所の判断になります。
裁判所が親権者を誰にするのか決める際の基準として,以下のものがあります。
① 母親の優先
子どもの年齢が低ければ低いほど,その子どもにとって母親が重要であると考えられる傾向にあります。
② 子の意思の尊重
逆に,ある程度子どもの年齢がいくと,その子の意思が尊重される傾向にあります。
未成年の子が15歳以上であれば,法律上,その子の意見を聞かなければならないとされています。
③ 監護の継続性の維持
子どもを現に監護している親から引き離すことは子どもに与える精神的な影響が大きいことから,現在の監護状況を維持させるべきと考えられる傾向にあります。
④ その他の事情の考慮
子どもを監護する意欲,経済力,健康状態,親族の協力・援助,教育環境なども親権者を決定する際の基準となります。
養育費とは,子どもを自立した社会人に育てるのに必要な費用のことです。
養育費を払う年齢は,子どもが20歳になるまでとすることが一般的ですが,必ずしもそうしなければいけないものではないので,子どもが大学に進学した場合は大学卒業(22歳)まで,逆に大学に進学しなかった場合は高校卒業(18歳)で終了などと定める例もよくみます。
養育費の金額は,夫婦の収入や子どもの人数・年齢などによって定めることになりますが,離婚するまでの婚姻費用と同様に,家庭裁判所の調停や訴訟の実務では,「算定表」というものに当てはめて,ある程度機械的に算定されています。
通常は毎月一定額の支払になりますが,夫婦間の協議によっては,一括前払いとしたり,節目の時期(例えば高校や大学への進学時期)だけ増額したりすることもあります。
面会交流とは,離婚によって子どもを監護していない側の親が,日頃離れて暮らす子どもに会うことを言います。
以前は「面接交渉」という用語が使われていましたが,親が子どもに会うのに堅苦しい表現だということもあって,最近は「面会交流」という用語が一般的になっています。
面会交流は,普段一緒に生活していない親が子どもに会う権利であると同時に,子どもが親に会う権利という側面も持っています。
面会交流を行う基準としては,監護する親の協力の程度,子どもの年齢,子どもの意思,離婚に至った経緯などがあり,これらを総合的に考慮して,頻度や内容が決定されます。
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